ウラル購入記 第3話 「ウラルがやってきた、がコイツは一体??」
(管理人からのお知らせ・ご注意ください)
「URAL」
「ウラル」
でウィキサーチ致しましたら歴史・経緯・昔から今までの事は参照可能です。
あくまでも一個人がウラルを購入し楽しいライドをするまでのお話です。
これからウラルやその他の三輪側車を購入しようとする冒険者にほんの少しだけ役に立ったら本望です。
あと、コレクター重視の方には「全く・これっぼっちも」役に立たないつまらないお話ですので戻るボタンにて撤退を推奨します。
●ウラル購入記 第3話 「ウラルがやってきた、がコイツは一体??」
ライトエースの荷台に昨日迄イベント会場に飾らせていたウラル ギヤアップが載っていた。
紛れも無くウラルだ。
かつてサクマ製サイドカー「フュージョンカッパー」を所持していた経験はあるが、今回の車両はそんな中途半端なシロモノでは無い。純粋なロシア製サイドカー「ウラル」である。
サイズ、エンジン音、鉄の塊、何より戦闘車両の風格しか感じ取れない。
ただ純粋に軍用車両の名残が現代風にライドチューンされた感なのだ。
私自身、ミリタリーマニアではない。
ここで言うマニアとは「当時のオリジナルを忠実に再現させる満足感」を指しているが、私がウラルに魅了されるのはマニア思考とは違うと思っている。
「自分のオリジナルスタイルを忠実に再現させてくれる道具」
サバイバルゲームやミリタリ容姿も非常に興味がある。
でもそれらを極める為のウラルじゃ無い。
自分のやりたい、楽しんでみたい、作ってみたいモノの道具としてウラルが欲しかったのだ。
旅の移動手段、街の足、仕事の合間のストレス発散、昔からバイクで走る習慣はあった。
高校時代、雑誌の裏に掲載されていたホンダのバイクラインナップに一際目立つアフリカツインにどうしても乗りたくて、三十代になってから大型免許にステップアップし購入もした。
一度は外車もなんて夢を見つつ、偶々出会った丸目なBMWに一目惚れしGS乗りになった。
どうせ乗るなら最後はアドベンチャーだなと笑いながらGSAも手に入れた。
ツーリングやキャンプなより一層面白くなったのは言うまでもない。
ダート走行は苦手だけど一度も転倒する事なく走っていたが、正直なところ物足りない。
パワーも有る、乗り心地もいい、そこそこ荷物ものせられる。
でも、それでも物足りない。
多分、自分は飽き性な性格なのかも知れない。
そんな事さえ感じた事もある。
キャンプツーリングは大好きだ。しかしながら自分は確率9割の雨男(何十年も雨男を立証済み)なのでバイクツーリング的には致命傷な資質を兼ね備えている。
雨具や積載物に対する雨対策は人一倍煩く、衣類からバックに至る全てにウオータープルーフ仕様。
まだ雪の残る3月末から秋11月迄ライドする為に積載物が増えバイクもビックに排気量も4桁になった。
仕事柄一泊ツーリングがほとんどでスピード&長距離ライドに耐えるマシンを当然求める様になる。
あっ、気づいた。
今迄、バイクに乗って楽しい事をしてきたが何か足りない。
その足りない要素は何だろう。
あっ、そうか。
バイクは只の移動手段の道具だったんだ。
バイクを楽しむんじゃなく、自動車同様に移動手段のツールでしかなかったんだ。
だから整備も店任せで車載工具も使った事がない。
故障箇所が有れば費用負担が高ければ新しいマシンに乗り替わる。
また新しいマシンになったら違った楽しさを感じ、の繰り返し。
これもバイクの楽しみ方の1つだと思う。
コレジャナイ!
自分の理想的なバイク、自分の思い描くバイク、自分の、
荷物を山の様に乗せて夜逃げしてきました感増しの迷彩ウラルに乗った若者を見た時、若者の笑顔に呆気なくやられたんだなと今でも苦笑する。
キミみたいな旅がしたいんだよ!
若者のワガママを受け入れるウラルの姿に感動すら覚えた。
無言のインプレッション。
今、そんな思いを胸に荷台から降りたウラルを眺めニヤニヤする自分がそこに居た。
簡単な説明を受け、納車された後は車両の確認と解説書のにらめっこ。
暫し休憩の後、ヘルメットをかぶり初めてのウラル走行。
今だから言えるお話、真っ直ぐ走れず急ブレーキをかける。
道路の左端ギリギリに停車するも全てが今迄のバイクと明らかに違う。
「ウラル、お前は一体、俺コイツに乗れるのか?」
今迄のバイクのと向き合い方を根底から覆すウラルに恐怖した。
その後、自宅の周りを30周もするのはどうなんでしょうか?